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「いきなり気に入った。俺の女にする」って、ちょっと変わった出会いだったけど、千春と寛志は結局、結婚することに。
まだまだ女性が自分で生きていくのは難しい時代。
離縁されて出戻るなんてのも大変だったと思いますが、タイトルからしてそういうことかなと思ったら、最後まで目が離せない素敵な恋愛物語でした。
全100話(単行本なら15巻)で完結しています。
【作品情報】
・原作:山口恵
・ジャンル:恋愛
・出版社:アムコミ
吉川千春
地主の家に生まれ、何不自由なく育つも、背中のあざのせいで28歳になっても嫁ぎ先が見つからない
瀬田寛志(かんじ)
実業家、パーティーで千春と会い、気に入ったから俺の女にするといい、本当に求婚
芹沢
寛志の秘書
梅
瀬田家の給仕
進次郎
千春の弟、吉川家の跡取り
吉川千春は28歳。しかし、これまで何度も縁談が流れてしまい、ずっと独り身でした。それは背中にあざがあったから。その話をすると、決まって断られてしまいます。
そんな中、とあるパーティーに参加した時に、瀬田寛志と出会います。
良くない噂もあるのに、自分に対して物怖じしない千春を気に入ったという感じ。「俺の女にする」と宣言します。
その宣言通り、寛志は吉川家の借金を帳消しにする代わりに、千春を嫁にもらいたいと迎えにやってきました。
イケメンではあるが、飄々としていてつかみどころのない感じ。怪しい噂もあるし、この時代の若い娘さんがあまり近寄りたいとは思わない人種かもしれない。
怪しい雰囲気がまた、女性の心をくすぐる、というのはあるかもしれないけど。
普段メガネしてるけど、メガネ外した方がかっこいいです。
だけど、この人が意外に一途で、千春のことをすごく大事にするんですよね。
瀬田寛志が千春に惚れた理由は、まっすぐに物事を見られる女性だったから。
寛志は、妾の子としてずっと差別をされてきて、だからこそ成り上がろうと決心したわけだけれども、そうしたら人々からは嫉妬され、陰口を叩かれ、そんな中で自分に媚びず「あなたは間違ってない」ときっぱり言う千春に惚れちゃったのね。
最初は怪しい人かと思ったけれども、本当に千春のことを大事にしてくれてます。
それなのに、時代のせいというか、離縁する、しないで揺れ動く二人。
その波があったからこそ、関係が強まったのかなとも思いますが。
実質、寛志の一目惚れで始まった結婚だけれども、千春もだんだんと心を開いて、寛志に惹かれていくんですよね。
だけど、すぐに仲の良い夫婦になれるかっていうと、まあ、いろいろゴタゴタあって、そのたんびに気持ちが離れそうになったり、すれ違ったり。
でも「雨降って地固まる」というか、そういったことが二人を強くしていったのかなって思います。
寛志は一貫して千春のことを、すごく大事にしてるんですよね。
根底にはお互いを思う気持ちがあって、不器用なんだけど、少しずつ本当の夫婦になっていく。
そんな姿がすごく愛おしく感じられる作品だと思います。
寛志の口調は荒いというか、千春のことも「あんた」とかいうし。
丁寧ではないんだけど、そこがまた魅力というか。
少なくとも、女性を虐げるような亭主関白ではない。
この時代にしては、新しいタイプの人だったでしょう。
さすが実業家といったところです。そんな寛志だったからこそ、背中のあざなんて微塵も気にせず、千春と結婚したんだと思います。
梅さんは、瀬田家で給仕をしている方ですが。
母みたいな存在だなと思っていたけど…ある意味、母だった。
実は。
寛志の父の妻。本妻ですね。
普通、妾の子なんて、目の敵にしたくなりそうなものですが、そうじゃなかったんだな。
ずっと見守ってくれて、結婚してからも千春ともども、母のように寄り添ってくれた。
梅さんにも幸せになってほしいです。
梅さんと寛志の部下、金田とのその後は、二人が再婚してからの話で描かれています。
最初に離縁の話が出たのは、寛志のビジネスがちょっとうまくいかないってなった時に、いきなり本家の跡取り的な扱いをされて、「何の得にもならない千春じゃなくて、どっかのお嬢さんと結婚させる」っていう話で、離縁の話が出てくるんだけれども。
千春は寛志のために離縁しようとするんですよ。寛志はそんなことを望んでないのにね。
なんだかんだで、その危機を乗り越えた二人。
ますます仲良くなっていたはずなのに。
仕事で家を空けることが多くなっていった寛志。
そしてある日、他の女性の存在が浮上。
これは千春ちゃんも傷つきましたよね。
結局、寛志から離縁をしたいと言われて身を引いてしまう千春。しかし、千春のお腹には赤ちゃんがいたんですよ。
このままでいいのか。寛志との子供も生まれてくるのに。
そんな千春にはずっと梅さんがそばにいてくれたんですけどね。本当にありがたかったと思います。
離縁の理由、絶対おかしいと思ったんだ。他の女なんて。
実は、寛志は病気で入院していた。自分が死ぬかもしれないと思ったから、離縁したんですね。
残される人間の辛さを知っていたから。
でもさ、これは言わなきゃダメじゃない。
愛情からなんだけど、言ってほしかったわ。
千春ならしっかり受け止められたと思うから。
まあ、それほど寛志が千春を愛していたってことだと思うのですが、早めに再会できて本当に良かったですよ。
無事に寛志は病気を治して退院。
それでも、最初は千春のところに戻るつもりはなかったみたいですね。
だけどパーティーで再会して、自分に娘(志穂)がいることも知って。
千春も最初は寛志に頼らず生きていこうと思ってたみたいだけど、意地を張らずに二人がまた一緒になれて本当に良かった。
かわいい志穂ちゃんを見たらさ、もう、パパはメロメロよね。
今時のめっちゃ描き込んだフルカラーの漫画とはまた違うんだけれども(フルカラー版はあります!)、シンプルな線だけでこれだけ登場人物の表情をしっかり描けているって、作者様の画力が素晴らしいと思います。
他の作品も読んでみたいと思いました。

